評論家・作家の佐高信評論家・作家の佐高信 Photo:SANKEI

シャンソン歌手の岸洋子と
評論家・作家の佐高信

 日本海に面し、最上川の河口にある山形県酒田市。江戸時代から商都として発展してきた。酒田東高校は、大正時代に設立された旧制中学を前身とする県立の伝統校だ。

「希望という名の あなたをたずねて…」で始まる『希望』という歌謡曲が、昭和時代に一世を風靡した。あるいは、『夜明けのうた』を懐かしく思い出す中高年も多いことだろう。

 高度成長期にシャンソン歌手として鳴らした岸洋子(1935~92年)が歌ったものだ。岸は酒田東高校を経て東京芸術大大学院声楽科修了だ。オペラ歌手を目指していたが、シャンソン歌手に転向し、61年にキングレコード専属となり、『たわむれないで』でレコード・デビューした。

 ヒット曲を次々と出し、『希望』が第43回センバツ高校野球大会の甲子園・入場行進曲に採用されたりもした。日本のシャンソン界において越路吹雪(旧制長野県飯山高等女学校・現飯山高校中退)と人気を二分し、「魅せる越路、聴かせる岸」といわれた。

 現在活躍中の著名OBとしては、評論家・ノンフィクション作家の佐高信(まこと)を挙げられる。政治・経済・教育・文化など幅広い分野にわたってエッジが鋭い評論で知られ、発言が物議をかもすこともある。「辛口」「過激」「反骨」といった枕ことばが付く評論家だ。

 佐高は、酒田東高校から慶応大法学部に進学、卒業後は郷里で高校教員をしていたが、上京して経済誌の編集長になりその後、独立した。経済小説や歴史小説にも通じており、解説をしている。どんな評論でも相手に「忖度」することがないことで、信用、信頼されている。