テイスティング、アサンブラージュ、ワインのモニタリング、精選、熟成、澱抜きに至るまでシャプロン氏の仕事は多岐にわたる

 2017年3月に醸造家のヴァンサン・シャプロン氏が来日。2000年からドン ペリニヨンの醸造に携わっている専門家からロゼの背景を聞く機会に恵まれた。

 もしこのシャンパンを飲むチャンスに(幸運にも)恵まれたら、より深く味わいを感じられるかもしれない。そんなよくばりな気持ちを持ちながらインタビューをさせてもらった。

――このワイン(シャンパンもワインという)の特徴を教えてもらえますか。

「通常はシャルドネ種で作りますが、ピノノワール種をブレンドしています。ピノノワールのパワーを表現するのが目標です」

――今回テイスティングしたのは2005年のビンテージでした。どんな個性がありますか。

「この年はピノノワールの骨格がしっかりしていて、ワインを構成する要素がはっきりしています」

「2005年は高度な緻密さが特徴的です。ワインに重要な酸味、苦み、切れ味、きめ細やかさ、クリーミーさといった要素もはっきりしています」

「たとえていうなら高精細テレビみたいなもので(ちょっと笑)ワインを構成している要素がはっきり見えるのです。もちろんすばらしいハーモニーを感じていただけることでしょう」