不正監査のプロが指摘する
嘘をつくときの特徴とは

 会話の中では、

・形式ばった表現や固い言葉遣いをする
・必要以上に具体的に話す
・「実のところ」や「正直に言えば」という表現を多用する
・質問にオウム返しで答える
・核心に近い人や事柄と距離を置くような言葉を選ぶ

 表情・しぐさでは、

・笑っていても目じりにシワができていないなど、表情筋の動き方が不自然
・かすかに笑う
・片方の口角の上がった非対称の表情をする
・実は相手の目を長めに見つめる
・口では同意するが、首を横に振る

 態度・行動では

・真実追求に非協力的
・同じ話を逆順で話すのが苦手
・声のトーンが低くなる
・下を向く
・小声、低い声で話す

 といった特徴だという。

 しかし、その一方で、これまで多く行われてきた嘘検知の研究の中で、一貫して分かっている事実がある。それは「一般の人は嘘を見抜くことはまずできない」という研究結果だ。

 最近筆者も似たような研究を行ったが、やはり同じ結果だった。一部、ずば抜けて嘘を見抜くことができる人もいるようだが、平均すると、人は嘘を見抜けない、という結論にならざるを得ない。

 筆者の考えでは、その理由は、人は日常生活の中で、上記の特徴をしっかりキャッチできるだけの敏感さを持ち合わせていないからだ。

 上記の特徴は、ある特定の人物、たとえばAさんが「嘘をついていないとき」と「嘘をついているとき」の個人内の比較で顕著に表れるものである。しかし、普段私たちは、1人の人を時系列的に、嘘をつく場合とつかない場合を比較しながら、観察することは少ない。