勿論、出演当日は夜のお座敷に陣取り贔屓の芸舞妓衆を呼んで、舞の談議に講じたりするのです。毎年のことですが、4月の一か月は花見小路といわれる祇園のメインストリートはぼんぼりで飾られ、お茶屋や料理屋の軒先には「都をどり」を知らせる赤い提灯が吊るされます。街全体で「都をどり」と春のムードを盛り上げるのです。

 花街は季節感をとても大切にしています。四季に応じての古や行事があり、それにまつわるモノとコトにお客とが一緒になり、お茶屋さんや置屋さんが楽しみを演出してくれるのでした。ひとつの町内ぐらいの小さな街ですが、花街を支えるそれぞれの役割を持った人がそれを受け継ぎ、引き継がれているのがこの街の素晴らしいところなのです。

 花街はお茶屋さんと贔屓といわれるお客さんとの距離が近く、アットホームでありながら格式や礼儀を重んじる、ちょうどいいバランスを保ってくれる不思議な街でもあります。

 この季節はお花見と同様に、「都をどり」を観て、桜の場面のフィナーレで花見をするというのがちょっと粋なコースになっています。春の賑わいと相まって、祇園町は大変な人出となるのですが、夕刻を過ぎたころから花街は静けさを取り戻します。お茶屋の座敷からこぼれてくる三味線の音が、なんともいえない空気を演出してくれるのでした。

(注:今年は祇園甲部歌舞練場が耐震工事のため京都造形大学の春秋座で都をどりは開催されます)