『ばけばけ』第70回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第70回(2026年1月9日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
みんな嘘つき
2025年の紅白歌合戦にも出演したハンバート ハンバートの主題歌『笑ったり転んだり』ではじまる。「♪毎日難儀なことばかり」で、主題歌明けは、ヘブン(トミー・バストウ)が結婚披露パーティーの席で「家族なる、できない」と言い出した。
「嘘(うそ)嫌い」「みんな嘘つき」と声を荒げるヘブン。まったく難儀なことである。
すべて丸く収まりそうで、なかなか収まらないふじきみつ彦脚本。第70回は15分間、視聴者はこの引っ張り具合の妙を味わうことになる。順に見ていこう。
借金があるのに「大船に乗ったつもりで」と大きなことを言った勘右衛門(小日向文世)。
社長じゃないのに社長のふりをしている三之丞(板垣李光人)。
お金は全部、トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)が働いたお金で賄っている。それを黙っていたトキ。
ヘブンはこういう嘘が許せない。
他人であればまだしも、家族になった以上、嘘のない関係になりたいと思っているようだ。真面目で正直な人なのだろう。潔癖とも言う。
トキは事実を黙っていたのは、お金のために結婚したと思われたくなかったからと吐露する。
「こげな嘘もついたらだめですか? 嘘つきですか?」
若干、開き直っているようにも聞こえなくもないが、まあいい。そんなことより、トキとヘブンのやりとりを聞いているタエ(北川景子)と三之丞の表情がじつに悲痛だ。
フミ(池脇千鶴)が「ごめんね」と謝り、タエも「ごめんなさい」と謝る。
ふたりに謝らせてしまい、今度はトキが「申し訳ありません」と平謝り。
謝罪が続き、最後の最後に三之丞が「申し訳ございません」とタエに謝った。
「ずっと嘘をついてきました。私は社長ではありません」
「嘘つきで恥さらしでだめな息子です。申し訳ございません」







