STEP1 「自分にも稼げそう」な種は危険だと思おう

通信業界で会社員として働いている平田裕二さん(仮名)も、「好き」より「稼げそうだから」という動機で始めて失敗した一人です。

知人が会社員のかたわら不動産投資で成功しているという話を聞いて、“サラリーマン大家”に興味をもち始めました。

以来、不動産投資に関する雑誌や記事や書籍を読みあさり、「これは自分でもラクにできそうだ」と、投資用の物件を購入しました。

1年後には、不動産会社にすすめられるままローンを利用して3つの物件を所有するに至りましたが、空き室が埋まらないなどして利回りは低下。

ついには、会社員としての給料から銀行の借入金を返済する事態に陥ってしまったのです。

結局、その後、平田さんは物件を売却。不動産投資を始めたことを後悔することになりました。

「何もしなくてもお金が入ってくる」というイメージがあるためか、平田さんと同じように、副業として“サラリーマン大家”に憧れをもつ人は多いようですが、「ラクして儲ける」という意識で始めて成功するほど甘い世界ではありません。

不動産投資の肝は、いかに立地が良く、利回りが高い物件を購入できるかにありますが、条件の良い物件はプロ投資家がすぐに購入してしまいます。

さらに、購入したあともリフォームするなどして魅力的な部屋をつくり、空き室が出ないようにする努力も必要です。

空き室が続けば、平田さんのようにローン返済で苦しむことになります。

いずれにしても、“サラリーマン大家”は「ラクに儲かる」ビジネスではありません。
本当に誰でも簡単に儲かるなら、みんな不動産投資を始めているはずですから。