たとえば最近では高画質DVDの規格競争で、ソニーとパナソニックのブルーレイディスク(BD)陣営と東芝のHD DVD陣営が主導権争いを演じました。普段はライバル関係にあるソニーとパナソニックがタッグを組んで東芝に対抗し規格競争に勝利を収めましたが、その戦いに勝ってからは、通常のライバル関係に戻って販売競争をしています。

 また、横浜の中華街、原宿のファッションストリート、秋葉原の電気街などは、数多くの同業者が集まっています。個別の店同士はライバル関係にあって競争は激しいですが、一方で同業者が集積することで、他の地域との地域間競争を有利に進めることができます。

 このようにお客を集めるまでは協調し、集まったお客は奪い合いの競争をするという関係が成り立っています。

 日高屋の場合、中華街や電気街とは違い、一方的にマクドナルドや吉野家の近くに店を出していますし、商圏ももっと狭い範囲ですが、結果的に集客構造は同じようなものになっています。あの通りにいけば、ハンバーガーも牛丼もラーメンも選べる、という状態を日高屋が意図的に作り出しているのです。競争相手を利用してしまう逆転の発想。なかなか思いつくようで思いつかない見事な発想と言っていいでしょう。

外食産業の王者と軒を並べるために
日高屋が行ったラーメン屋革命!

 しかし、そううまい話ばかりではなく、ここで大きな問題が2つ出てきます。それは家賃の問題と価格帯の問題です。