自動車技術会春季大会、人とくるまのテクノロジー展での展示風景 Photo by Kenji Momota

 電動化とは、EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)等、パワートレインがこれまでの内燃機関からモーターへと移行することを指す。

 そして、自動運転と知能化とは、車外との情報通信によるコネクテッド化によるビックデータの解析能力をAIによって高めることを示している。

 しかし、発表された論文や、各種フォーラムでの講演、そして商品の展示を見る限り、AIに関する話題は意外と少ない印象だ。これは、日系自動車産業界におけるAIはまだ、基礎研究の段階であり、量産に向けた応用研究分野においても秘匿性の高い競争領域であるため、現時点で具体的な内容を公開しづらいという各社の事情がある。

 一方で、本連載でも既報の通り、米シリコンバレーでは最近、インテルやNVIDIA(エヌビディア)などの大手半導体メーカーが、画像認識を主体とするAI技術を組み込んだハードウエア、ソフトウエア、そしてSDK(ソフトウエア・デベロップメント・キット)の量産化に向けた動きを加速させている。

人工知能学会全国大会での企業展示 Photo by Kenji Momota

 筆者は直近の3週間ほどで、シリコンバレー、名古屋、そして横浜でAIに関する最新情報を収集するなかで、日米の自動車関連産業界におけるAIへの認識の温度差、またAIに関する学術的な観点と実社会における利便性のギャップを強く感じた。

 また、巧妙なマーケティング戦略を打つシリコンバレー産業に対して、ジャーナリストとしていつもニュートラルな視線を持つべきだと、強く意識した。

 今後も自動車産業との連携案件を主体に、第三次AIブームの成り行きを各地現場で見続けていこうと思う。

(ジャーナリスト 桃田健史)