特に、給与振り込み口座のある銀行は、ボーナスの入金をタイミング・金額ともに正確に知る立場にあり、また、口座の資金の流れから、預金者の生活状態をよく掴んでいる、セールスマンとしては手強い相手だ。そして、銀行の窓口に用意されている投資信託や貯蓄性の生命保険のような運用商品は、いずれもその手数料の高さからだけでも「避けるべき運用商品」だと断言できるものばかりだ。

 銀行でも、ネット専用の取引で、ひっそりと手数料の安い良心的な商品を売っている場合があるが、窓口では別にラインナップした手数料の高い商品を勧められる。銀行の立場で考えるなら、顧客は窓口担当者の手間と時間を通じて、銀行に人件費を使わせているのだから、手数料の発生する商品を買うように誘導したい。当然のことだろう。

 一方、顧客の側では、親切かつ好タイミングで繰り出される運用商品の「ご提案」に、その場で正確にダメ出しすることは困難だ。そもそも、窓口に「いい商品」がないのだから(唯一の例外は「個人向け国債変動金利10年満期」だけだろう)、そこに近づかないのが賢い態度だ。

 筆者は、銀行員をはじめとする金融マンを「敵視せよ」と言っているのではない。彼らを「正しく、恐れよ」と言いたいだけだ。人件費も営業目標も高い彼らに、無駄な時間を使わせるような失礼をしないように、と申し上げている。

(2)「小さな高利回り」に釣られるな

 ボーナスを銀行に預金しておいても、ほとんど利息が付かない。さりとて、金融マンが勧める「投資信託」(特に毎月分配型)や「ラップ口座」(主にファンドラップ)、「貯蓄性の生命保険」(外貨建ての個人年金保険など)は、手数料が高くろくなものではない。

 ここまでの理解は100%正しい。

 次の心配は、こうした用心深い人が、しばしば、多少は利回りのある「社債」や「仕組み預金」、「仕組み債券」のようなものに引っ掛かってしまうことだ。