というのも、国内外で圧倒的なシェアを誇るビザブランドは是非とも使い続けたいが、ペイウェーブを搭載すると、ライバルを利することになるため、そもそも受け入れ難い要求なのだ。

 ビザは筆者の取材に対して「東京五輪に向けてペイウェーブを日本で普及させたい。クライアント企業と協力しながら話し合いを進めている」と優等生の模範解答をしてきた。

 本音はどうなのか。流通大手幹部は「ビザがフェリカを排除して、日本の電子マネーの覇権を奪いに来た」との見方を示し、警戒を強めている。確かにビザがペイウェーブ導入を強引に推し進めれば、主導権がタイプA/Bに移る可能性は否定できない。

 この問題についてビザにクレームを入れたところ、6月中旬に回答を得たという日系企業の関係者は、「ビザからのとりあえずの回答は『2019年までにビザとペイウェーブのマークを載せた新しいカードのデザインを提示してほしい』という趣旨で、結局はビザの要求を呑んでねということだった」と困り顔だ。

 実は、今回のビザ問題とは別に、イオン、セブンというフェリカの電子マネーを発行している流通2強の間では、相互乗り入れや機器の共有化などについて、水面下で「日本連合」を模索する動きがあるという。ビザの強硬姿勢が続けば、この流れが一気に加速するかもしれない。

(週刊ダイヤモンド副編集長 山口圭介)