「週刊ダイヤモンドの7月9日号の「電力不足解消の第3の道」は、良い記事。 スマートグリッドの夜明けについて特集している。 記事を特集した記者さん達に会って色々話を聞きたいなあ」
孫正義・ソフトバンク社長がツイッターでそんな呟きを発したのは7月7日、七夕の夜のことでした。
まさか本人はそんなつもりはなかったでしょうが、七夕の夜にラブコールされて応えないわけにはいきません。
われわれは、週刊ダイヤモンド編集部のツイッターアカウントで、「いつでもお伺いします。こちらもお会いしたくてウズウズしています!」と返しました。すると、孫社長もすぐさま反応、「是非。 ◯◯君、アポ調整宜しく」と、広報室長に指示を出したのでした──。
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孫社長が興味を持った本誌7月9日号第2特集「電力不足解消の第3の道──スマートグリッドの夜明け」は、3月11日の東日本大震災以降かつてない電力不足の不安を抱える日本が、採るべき解決の道を論じた特集です。
現在、電力政策のあり方は国民の関心事になっていますが、「安くて危険な原子力発電か」「高いが安全な自然エネルギーか」といった単純な議論に終始しがちです。しかし、そんな二者択一論に電力不足解消の答えはないと、本誌は考えます。電力インフラを「オープン」「平等」に開放し、ITの活用によって電力を制御し、さらに省電力化を促すサービス市場を切り開く「スマートグリッド」という“第3の道”の可能性を、特集では指摘しました。
かたや孫社長は3.11以降、自然エネルギーの推進と脱原発の立場を明確に打ち出し、ソフトバンクの定款に電気事業を新たに加えてしまうほど、この国の電力事情の改革に入れ込んでいます。意見交換するのは願ったり叶ったりの相手です。
なにより、じつは孫社長は震災以降、紙メディアの取材には一切応じていません。件のスマートグリッド特集でもインタビューを申し込んだのですが、多忙を理由に時間はとってもらえませんでした。それだけに、いま孫社長が何を考えているのか、本誌としても聞きたいことは山ほどありました。
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かくして、孫社長との面談が実現したのは7月20日のことでした。予定の1時間を超え、盛り上がったインタビューの内容は、この機に合わせて急きょ組むことにした8月6日号(一部地域を除き8月1日発売)の本誌特集「太陽光バブルに乗り遅れるな!」(仮題)で、余すところなくお届けします。また、孫社長の発言の一端は、特集の発売前に本誌ウェブサイトでも先行公開します。
そして、そもそものきっかけとなった特集「電力不足解消の第3の道──スマートグリッドの夜明け」も、ウェブで全文掲載することにしました。
今の日本の電力市場はどこに問題があるのか。そしてこれからどう変わるべきなのか──。来たる8月6日号の本誌特集をご覧いただく前に、こちらも是非目を通してください。