経営者で「過労死」した人はあまりいない
社員の働き方改革に続き、今回は経営者の働き方改革を考えます。
経営者の働き方は労働基準法の適用外なので、法律上はいくら働いても構わないし、実際に経営という仕事が好きだから働き過ぎる経営者は数多くいます。経営を一生の仕事としてそれに全身全霊を傾けることは悪いことではありません。
小宮コンサルタンツ代表
「遊びも仕事と同じくらいやらないとバランスが取れない」などと言っているうちは、経営者としてプロではありません。まったく遊ぶなと言っているわけではありませんが、遊びはあくまでも「おまけ」です。長期間にわたって成功している経営者で遊びほうけている人など見たことはありません。
このことに関連して、松下幸之助さんは「体は休息させていい。心まで休ませてはならない」と語っています。経営者には社会から会社を預かり、お客さま、従業員、社会に対する責任があるので、休日でも経営が頭から離れることはないと思うし、逆に経営をずっと考えていられない人は経営者には向きません。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがありますが、好きなことには熱心になれるものです。遊ぶことが好きな人が、どんなに遊んでも「遊び死」することはないはずです。
同じように仕事が好きな人は「過労死」することはまずありません。
もちろん、私自身も長時間労働は嫌いですし、短い時間で効率よく仕事をこなすよう心がけ、部下にもそれを指示していますが、経営者の主な仕事は「方向づけ」などの意思決定ですから、別に会社にいなくても、ものを考えることはできるし、逆に言えば、どこにいても、会社や仕事のことが思い浮かぶものです。
実際に私のお客さまの経営者には、働き過ぎで亡くなったという方はいません。