◆推理・探偵小説を日本に広めた文豪の意外な一面とは?
眠れなくなるほど面白い文豪42人の生き様。芥川龍之介、夏目漱石、太宰治、川端康成、三島由紀夫、与謝野晶子……誰もが知る文豪だけど、その作品を教科書以外で読んだことがある人は、少ないかもしれない。そんな人に向けて、文芸評論に人生を捧げてきた「文豪」のスペシャリストが贈る、文芸作品が一気に身近になる書『ビジネスエリートのための 教養としての文豪』(ダイヤモンド社)。ヘンで、エロくて、ダメだから、奥深い“やたら刺激的な文豪たちの知られざる生き様”を大公開!
イラスト:塩井浩平
失業中の29歳ニートが一発逆転
推理小説の大家に
日本ミステリー界の礎を築いた巨星
江戸川乱歩といえば、「推理小説」「探偵小説」というジャンルを日本に定着させた小説家として知られています。私も子どものころは「少年探偵団」や「怪人二十面相」のシリーズを夢中になって読むなど、乱歩の作品に親しんで育ちました。
乱歩は、物心ついたころに西洋化がある程度進んでいたこともあり、外国文学に影響を受けた世代を代表する作家でもあります。
世界の名作たちが育んだ豊かなイマジネーション
その原点になったのは、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを始めとする海外の推理小説です。20のまったく違った顔を持つ盗賊「怪人二十面相」は、作家モーリス・ルブランの「怪盗アルセーヌ・ルパン」がモデルになったといわれます。
有名な話ですが、「江戸川乱歩」というペンネームは、『モルグ街の殺人』などで知られ、推理小説のジャンルを確立したともいわれるアメリカの小説家「エドガー・アラン・ポー」をもじったものです。また、『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナンの名前の由来でもあります。
名探偵の生みの親が隠し持っていた人間臭い素顔
さて、そんな乱歩に、みなさんはどんなイメージを持つでしょうか。推理作家というだけあって、頭がよく切れ者の印象があるかもしれません。
実際の乱歩は、朝起きられず、すぐに会社を辞めるなど、かなりぐうたらな生活を送った、いまでいう「社会不適合者」的なところがあったのです。

