今の時期、入社時社員研修を済ませた新人がすでに職場に配属されている企業がほとんどだと思います。大学もしくは大学院を優秀な成績で卒業した新入社員、あるいは部活動で心身ともに鍛えられた新人だとしても、社会に出たばかりの彼らの心は、じつはガラスのように弱いものです。莫大なコストをかけて採用した人材に最初の山場である夏を超えさせて、「使える」人材に育成するのは上司の役目。彼らとのコミュニケーションを円滑にする、3つのポイントを学んでいきましょう。(フリーライター 松永美樹)

1.まずは警戒心を解いて距離を縮める

 企業のグローバル化が当たり前になっても日本人気質から脱することができないのは新人も同じです。リアルなコミュニケーションが苦手な世代ということもあり、自分から上司の胸に飛び込んでくるのは相当人懐っこいか、勇気のあるタイプ。彼らの心を開かせるのは想像以上に大変です。

 上司にとってハードルになるのはむしろ「新人を甘やかしてはいけない」という気持ちかもしれません。仕事や社会における厳しさを伝える前に、まずは新人の警戒心を解いくことを優先させましょう。

「はたしてこの会社では、自分が受け入れられているのか」と不安に感じている新人に「こわい上司」という印象を与えて、閉ざしてしまった心を開くのは時間も労力もかかります。最初につまずくことなくいいスタートを切ったほうが得策です。