私鉄の中でも“地味”な京王電鉄が今、投資を積極化している。2020年を見据え、インバウンドやホテル関連事業の強化を急ぐ。

──2015~17年度が対象の中期経営計画では当初、成長分野への投資額を450億円と計画していましたが、新たに230億円を追加しました。なぜですか。

京王電鉄社長「五輪を見据え新分野への投資を加速する」Photo by Mikito Morikawa

 笹塚駅~仙川駅間7.2キロメートルを高架にして踏切25カ所を廃止する整備事業にめどが立ち、鉄道以外の戦略的事業を積極化できるようになりました。20年に向けて、特にインバウンドやホテル関連事業を強化していきます。

──インバウンドやホテル関連事業は、どのような構想ですか。

 複数の柱を並行して進めています。ビジネスホテル「京王プレッソイン」はこれまで山手線圏内に出店し、1店で着実に1億円の利益を生むようになりました。今年も新規出店を東京駅八重洲口と浜松町駅前に行い、目標としていた3000室体制に届きます。

 そして新ブランド「京王プレリアホテル」を投入します。1号店は18年秋に京都で、2号店は19年夏に札幌で開業する予定です。プレッソインよりも上級カテゴリーの宿泊特化型ホテルで、インバウンドやファミリー、グループのレジャー需要を取り込むため、全国の観光都市に出店していきます。質の高い朝食や、大浴場も設け、客室単価は1万円台前半、年間10億円以上の収益を見込んでいます。