最近のビジネスマンの中で、接待に対する意識が変わりつつある。かつて接待は、予算の範囲内でなるべく高級店を選ぶのが常識だったが、回転寿司やビアガーデン、蕎麦屋など、自分が普段利用する手軽で安価な店で得意先を接待する「カジュアル接待」が密かに増えているのだ。その現状や背景などリポートする。(ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)

本格的な「接待プラン」を始めた
横浜の回転寿司店

 横浜駅から徒歩で約5分の湾岸地区にあるショッピングモール「横浜ベイクォーター」内にある寿司店「日本橋 粋-sui-」が始めた“接待プラン”が外食業界でちょっとした話題となっている。

「日本橋 粋-sui-」のBOX席。背もたれが高く、ちょっとした接待に使えそうな雰囲気だ。個室もある Photo:京樽

 理由は明白で、その寿司店が、いわゆる、“高級寿司店”ではなく、普段はビジネスマンや家族連れが自分のお金で食事することの多い回転寿司店であるからだ。

 お手軽な回転寿司と本格的な接待プラン――。業界で話題となる理由は、まさしく、その“ミスマッチ”にあるが、それだけではない。

 じつは、最近、徐々に広がっている「カジュアル接待」を象徴する出来事と見られているからだ。

 カジュアル接待とは何か。

 ビアガーデンや蕎麦屋、餃子専門店、自分の行きつけのバーや居酒屋など、ビジネスマンが普段使いの割安で手軽なお店で得意先を接待する、文字通り“カジュアル”な接待のことだ。

 では、なぜ、カジュアル接待が増えているのか――。