もちろん、これらの情報を鵜呑みにすることなく、各社のサイトを訪問して決算短信を読み、黒字転換、復配、増配にどれだけの確度があるかを調べれば、もうそれは銘柄発掘のプロの領域に足を踏み入れたようなものである。

 しかし、面白いことに、久々に復配を実施した企業、例えば、商社の兼松などがそうだが、その後、増配など株主還元に前向きになることが多いのも注目できる現象だ。経営者が株主還元の面白さに開眼するのだろうか。

いつ創業か、
設立○周年を迎えるのかを調べる

 本決算を締める前、例えば、最も多い3月期決算企業でいうと、第3四半期決算発表を行う2~3月頃が、調べるのにいいタイミングとなる。

「高業績進捗率銘柄(=上方修正期待銘柄)」のなかから、3月期末配当が「未定」の銘柄をピックアップする

 そして、前期の本決算短信の「利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当」の欄を見て、復配に前向きなコメントが出ているかどうかを確認する

 前向きなコメントが出ている銘柄に関しては、直近の決算短信で株主資本利益剰余金を見てみる。配当余力があり、仮に上方修正となると、復配となる可能性がある。

 また、会社の沿革を見て、配当の当期が例えば「創業50周年」などに当たっていたら、より復配の可能性が高まる。『会社四季報』を見て、次期の業績が期待でき、次期が「設立60周年」などに当たっていたら、次期復配の可能性も出てくる。

「創業」「設立」○周年記念に当たるかどうかも、復配、あるいは記念配当(増配)の可能性を占う大きな材料となることも頭に入れておこう。