睡眠不足の自覚がない
「かくれ不眠」が一番怖い

 もしあなたが「自分は睡眠が足りていない」と思っているのならまだいいのです。自分で睡眠時間を確保しようとするでしょうから。

 実は、いちばん怖いのは慢性的な睡眠不足に陥っていて、自分の眠りが足りていないことに気がついていない状態です。このような場合、仕事のパフォーマンスが落ちるのはもちろんのこと、意識して睡眠時間を取ろうとしないので、深刻なミスを引き起こしたり、ひどい場合にはいろいろな体の不調を起こしてしまったりすることもあります。

 下の2つのグラフは、4時間睡眠を続けたとき、主観的な眠気とパズルを解いたときの成績がどのように変化していくかを表したものです。

 左のグラフは主観的な眠気の変化で、最初の数日間は眠気が増していっていますが、その後は前日とほとんど変わらないと評価するようになっています。

 右のグラフは、コンピュータの画面に特定の文字が出たらボタンを押すという単純な課題における、ミスの数の変化を示しています。

 右のグラフからわかるとおり、ミスは日数を重ねるほど増えていっています。つまり、脳は日を追うごとに疲労し、ミスしやすくなっているのです。

 それなのに、自覚的な眠気は前日とあまり変わらないと感じてしまっている。この研究からは、自覚している眠気と脳の疲労度は、必ずしも一致していないことがわかります。

 つまり、実際には睡眠が足りていなくても、それをずっと続けているとその状態に体が慣れてしまい、眠気を感じにくくなってしまうということです。

 これが慢性的な寝不足の怖いところで、気づかないうちに仕事のパフォーマンスが落ちていくという、悪循環に陥ってしまうのです。

 こうした状況に陥らないためにも、日頃からしっかり睡眠を取るようにしたほうがいいのです。