「7時間睡眠がいちばん良い」「短眠は寿命を縮める」……。こうした常識、はたして本当なのだろうか?20年以上睡眠専門医として活躍中の坪田聡氏は、「睡眠のよしあしは『時間』だけでは測れない」「睡眠は『時間』と『質』のかけ算で決まり、質を高めれば5時間でも健康的な毎日を過ごせる」と言う。
しかし、短時間の睡眠では、日中にだるさが残る我々にとっては信じられない話だ。どう「質」を上げればよいというのだろうか。
そこで、最新刊『朝5時起きが習慣になる「5時間快眠法」』が話題沸騰の坪田氏に、その具体策を教えてもらう。今回は、休日にしてしまいがちな「寝だめ」のデメリットと、休日の睡眠のとり方について教えてもらった。
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休日の「寝だめ」は、むしろマイナスである
朝、目が覚めたけど、まだ眠い……。でも、今日は休日。いつものように、無理に起きる必要はない。今日は予定もないから、しっかりと「寝だめ」しておこう――。
休日に、そのような睡眠のとり方をしてしまう人も多いだろう。しかし、睡眠をいたずらにたくさんとっても、平日の疲れを回復させることはできない。
溜まった睡眠不足を、専門的には睡眠負債と呼ぶ。睡眠負債は、一度たくさん眠っただけでは返済することができないのだ。
それどころか、休日の起床時刻を平日から2時間以上遅らせてしまうと、体内時計の調節が狂い、休み明けに起きるのがいっそうつらくなってしまう。
平日の睡眠負債を返済する「ホリデー・ナップ」
休日は、長く何時間も眠るより、いっそいつもと同じ時間に起きてしまって日中に仮眠
をとるほうがよい。
休日に適した仮眠にホリデー・ナップがある。ホリデー・ナップでとる睡眠時間は90分。ノンレム睡眠とレム睡眠の周期1回分だ。
ホリデー・ナップは、夜の睡眠を妨げないために15時までにとるようにしたい。予定のない休日は早めにランチを食べ、13~15時の間でホリデー・ナップをとると理想的な休息がとれる。
通常の仮眠は、横に寝てしまうと深い眠りに入りすぎるので、座ったままがよいが、ホリデー・ナップは、横になってもよい。ただ、90分以上寝てしまわないように、アラームをしっかりとセットしておこう。
また、睡眠時間の合計が90分以内であれば、ホリデー・ナップは何度とってもよい。朝、一度起きてから、15時までの間に、10~15分ずつこまめにとるのも決して間違いではない。
朝からダラダラ寝続けるより、覚悟を決めて一度起きてしまい、足りない睡眠はホリデー・ナップで補おう。そのほうが、体も回復するし、充実した休日を過ごすことができるはずだ。