「睡眠負債」という言葉を知っていますか?
自分では「十分寝ている」と思っている人でも、わずかな睡眠不足が徐々に蓄積すると、それが「睡眠負債」となって命に関わる病のリスクを高めたり、日々の仕事のパフォーマンスを低下させると言われています。
ここでは、寝不足になりがちな人のために、「翌日に眠くならない睡眠の具体策」を集めたベストセラー書籍『一流の睡眠』の著者が、睡眠負債をためずに自分の理想的な睡眠時間が見つかる、1日1分でできるカンタンな方法をお伝えします。
睡眠は「貯金」できない
毎日終電近くまで猛烈に働いて睡眠不足が続けば、どうしても週末に「寝貯め」して、翌週に備えようとします。無理もありません。
でも、結論から言うと、寝貯めはできません。
これは、少し極端な例で考えると、体感としてわかるはずです。
たとえば平均睡眠時間7時間の人が14時間眠ったとしても、その翌日に徹夜をすれば、やはり眠気に襲われます。もし前日に寝貯めできるのならば、翌日の眠気はないはずなのに。
また、同じ人が、5時間たっぷり昼寝して、その夜の睡眠が2時間だったとしたら、翌日いつも通りに快活に動けるかというと、そうはいかないはずです。前日の合計睡眠時間は7時間だったにもかかわらず。
たしかに、週末に長く寝ると体調が回復することがあります。しかし、それは「寝貯め」ではなく、睡眠不足を補っているだけです。平日に理想的な睡眠時間より不足した時間を「借金」と考えれば、週末に借金返済しているわけです。
実際に、医学的にも「睡眠負債」という概念があります。自分では「十分寝ている」と思っている人でも、わずかな睡眠不足が徐々に蓄積すると、それが「睡眠負債」となって命に関わる病のリスクを高めたり、日々の仕事のパフォーマンスを低下させると言われています。
一気に睡眠負債を返済しようと思って、休日に昼すぎまで寝ていたり、長時間昼寝してしまうと、生活リズムの乱れにつながって、かえって翌週の睡眠に悪影響を及ぼすことになります。
睡眠は、借金返済はできても、「貯金」はできません。
だからこそ、良好な睡眠習慣で常に睡眠負債をため込まない「無借金状態」をキープすることが大切なのです。
では、「良い睡眠習慣」や「理想的な睡眠時間」とは、どのようにして見つければよいのでしょうか?