国内ETFはコストが低い点は魅力
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 あるインデックスに連動するETFが、国内、海外ともに取引可能な場合、どちらへ投資するのがいいのだろうか?

 国内ETFの場合、取引手数料や為替手数料など取引時のコストが安いという利点がある。しかし、指数との連動性でいうと、米国ETFに軍配が上がる。

 「米国市場のETFは、機関投資家も活発に売買しており、出来高が多いです。また、値付けのルールが厳しく整備されているので、価格が乖離することは滅多にありません。一方で、国内ETFは、まれに元の指数と大きくかけ離れるケースもあります。銘柄によっては、機関投資家の売買が少ないことが原因です」(楽天証券の新井党さん)

 さらに、日本と海外市場の株式の取引時間が違う点も考慮したほうがいい。

 なぜなら、ETFの構成銘柄の多くが上場する市場が、日本株の取引時間と異なる場合、価格がリアルタイムではないので、指数と価格差が生じる可能性があるからだ。

 指数とETFの価格差は、買いの場合、上にぶれていれば、それがコストともいえる。その点も注意して、投資先を決めよう! 

 

<お話を聞いたのは>
新井党さん
楽天証券外国株式事業部長。91年大和証券に入社。04年楽天証券に転籍後、08年から現職。米国株や海外ETFをはじめとした外国株式の商品企画に従事する。 

(取材・文/渡辺賢一)

 

ダイヤモンド・ザイ2011年10月号に掲載。特集は「1億円を作った20人の投資術!」。そのほか「ブラジルレアル&豪ドル建ての通貨選択型ファンドに忍び寄る円高リスク!」なども掲載。「お金の備忘録」シート、「資産管理」シート、「優待狙いの裏技」&「株の下落リスクを消す」ガイドの3大特別付録付き。