環境によい住まいは、「スマート」の取り組み以外にもたくさんある。マンションなど集合住宅は、集って住むだけでエコに向けて一歩前進だといえるし、ハウスメーカー各社も「エコの技」を競っている。どこに着眼すれば、最も「環境によい家」が手に入るのだろうか。
オイコスという名の
エコマンション
東京郊外の吉祥寺周辺は、住宅地として広い世代に人気のエリア。そこに鉄筋コンクリート4階建て、全9戸の小規模マンション「パークハウス吉祥寺OIKOS(オイコス)」が分譲された(同物件は8月に完売)。
「オイコス」とは、古いギリシャ語で集落を意味し、エコノミーやエコロジーの語源となった言葉。三菱地所グループが取り組む環境配慮型のマンションで、国土交通省「住宅・建築物・省CO2推進モデル事業」に認定されている。
ウッドデッキと植栽が印象的なこのマンションは、周囲の景観にしっくり溶け込んでおり、一見、どこに「環境への配慮」が組み込まれているのかわからない。
しかし、説明を受けると、その取り組みが広範なことに驚く。外断熱や太陽光発電、LED照明のほか、太陽熱を利用した給湯システムや輻射熱利用の床冷暖房として「床チャンバー型空調システム」を採用。断熱性を高める二重サッシには、熱伝導率の高い金属の代わりに断熱木製サッシを採用して、さらに断熱性能を高めている。
また、窓ガラスには、光触媒を施して、セルフクリーニング機能を加えてある。現時点において、最高の環境性能を誇るマンションだといえるだろう。同時に、新しいライフスタイルの提案も重視していて、たとえば同物件には駐車場が一切設置されていない。