前回は、BCGデジタルベンチャーズ(BCGDV)が活用しているビジネス手法のひとつであるデザインシンキングについて、BCGDVメンバーによる座談会形式でお話ししました。今回は、新規ビジネス創出において求められる「エクスペリエンスデザイナー」像をテーマにお話ししたいと思います。
日本では、まだ聞き慣れない職種かもしれませんが、エクスペリエンスデザイナー(XDと略されることもあります)の役割は、一般的には「ユーザー体験を設計する」ことだと言われています。
BCGDVにおけるエクスペリエンスデザイナーは、デザインシンキングを実践したアイデアの創出、インターフェース設計からグラフィックデザインまで、開発段階から製品化に至るまでの全過程に携わり、カスタマー体験の一部始終をデザインすることをミッションとしています。
このエクスペリエンスデザイナーの仕事は、従来のデザイナーより仕事の領域がはるかに広いのが特徴です。私自身も、社内のエクスペリエンスデザイナーたち、例えばBCGDVジャパンでは、坪田や花城などと一緒に仕事をすることを通して、自分の中での「デザイナー」の定義が大きく変わりました。
今回は、その坪田と花城に話を聞きつつ、新規ビジネスの現場においてこれから求められるエクスペリエンスデザイナー像について考えてみました。
エクスペリエンスデザイナーに求められる
“可視化できる”という能力
「ビジネス創出において、エクスペリエンスデザイナーに一番求められる能力は何と言っても可視化能力ですね」と、BCGDVでエクスペリエンスデザインチームを率いる一人であるデザインディレクターの坪田は言います。