また、メルカリやヤフオクでは象牙を使った製品が取引されている。象牙の国際取引はワシントン条約によって原則禁止されている。国内で象牙製品を取引するためには、登録または届出が必要だ。すでに中国政府は、本年末までに象牙の商用取引を全面禁止すると発表した。世界自然保護基金(WWF)はマーケットプレイスの運営業者に対して象牙製品の取り扱い停止などを求めている。社会的な価値観に照らした場合に取引に問題がないか、批判を浴びないか、ユーザーと企業双方で冷静な検証が必要と考えられる。

 法令遵守への懸念もある。個人の価値を評価し、それを取引するトレーディングプラットフォームを運営するVALU社では、特定の個人が自らの価値を吊り上げた上で高値での売り逃げを狙った疑いのある案件が発生し、物議を醸した。

 問題は、同社が個人の価値を株式に見立てていることだ。株式には配当の請求権をはじめとする客観的な価値=実体がある。しかし、同社のシステムに登録され、取引される個人の“価値”は、登録者と評価者の主観に左右される。円で配当が受け取れるわけではない。実体なき砂上の楼閣と取引しているというのが正確だろう。

 その他にも、バンク社が運営するCASHが貸金業法に抵触するのではないかとの批判も出た。新しいネットビジネスが基本的な定義を押さえ、法令を遵守した上で運営されているかは入念に確認されるべきだ。それが社会的な信用につながる。

各企業のコンプライアンス強化
社会全体での法整備の加速化は急務

 情報とコミュニケーション技術(ICT)の向上に伴い、従来にはないアイデアをもとに起業を試みる人は増えるだろう。それがベンチャービジネスの創出と育成につながり、競争を促進する。そうした動きが経済全体で進むようになると、わが国の潜在成長率の向上にもつながるだろう。