『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』が8月30日にダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

人生をみじめにするような努力はやめよう

なぜときに人は、非行や犯罪に走るのか?

<解説>

 勉強をして優秀な成績を取ること。グレて非行に走ること。この二つは正反対な生き方のように見えて、実は同じ目標を追いかけた生き方だ、とアドラーは考えました。二つの努力の目標は、親や周囲から注目を集めたい、という意味で完全に一致するからです。

 子供は誰もが全力を傾けて親に認められようとします。アドラーはこれを「優越を求める努力」と呼びました。しかし、頑張っても勉強で一番になれない、と思った時、子供は戦略を転換します。だったら運動で一番になろう。それでもダメならば、今度は音楽や絵画などの芸術で。それでもダメならば……最後は非行や犯罪で注目を集めようとするのです。

 人は「ほめられる」という「正の注目」を得られないとわかると、「叱られる」という「負の注目」を集めようとします。
 マザー・テレサは「愛情の反対は無関心だ」と言いました。無視されるくらいならば、叱られた方がいい。子供はそのように思うのです。

 そして、その人生への態度がそのまま大人になっても残る場合がある。大人でさえも、「正の注目」を得られなければ、「負の注目」を得ようとしてしまうのです。

 しかし、その考え方では人生はうまくいきません。幸せになることはできないのです。ですから「負の注目」を得るのではなく、たとえ小さくても「正の注目」を集める努力をしなくてはいけません。人生をみじめにする方向への努力をやめなければならないのです。

なぜときに人は、非行や犯罪に走るのか?アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。