米国案件を突破口にして
海外投資を加速

 もはや、このまま大阪でガス事業を展開しているだけでは、お先真っ暗だ──。そんな危機感から生まれたのが、前述の海外事業強化という大方針だった。

 狙うのは、東南アジアや北米での発電所建設プロジェクトやLNG開発プロジェクトへの参画だ。いかに高収益を稼ぐプロジェクトに着実に参加できるか。大阪ガスには、「目利きの力」と「資金力」の双方が求められている。

 計画では18年3月期から31年3月期までの14年間で、合計1兆4500億円の成長投資を実施する予定だ(図(4))。このうち、海外エネルギー事業には、21年3月期までに2140億円を投じる。

 すでに、17年3月期までの4年間で、過去最大規模の約2112億円を海外エネルギー事業に投資してきたが、このハイペースを21年3月期まで継続する。

 17年3月末、米国で二つの大型案件への参画が決まった。「フェアビュー発電所」と「ショア発電所」という二つのLNG火力発電所プロジェクトへの出資がそれだ。

 だが、実際に海外投資事業で稼ぐのは容易なことではない。有望な投資案件には、百戦錬磨の世界のエネルギー会社が群がり、投資競争が繰り広げられるからだ。

 エネルギー業界に詳しいアナリストは、「10年前であれば、海外の発電所プロジェクトへの投資は比較的容易にできたが、今は競争も厳しく、収益が見込める案件に投資し続けるのは至難の業」と話す。

 大阪ガスは、目利きや情報収集に長けた優秀な人材を海外事業へシフトし体制強化を急いでいるが、海外事業の「利益20倍計画」達成への道のりは険しい。