最近、失敗したのは「ブロック2a」という開発中のものです。

 これは「1a」より速度も射程も長いので、北朝鮮が仮にグアムを狙ったとしても、イージス艦が日本海にいながら後追いでも撃ち落とすことができます。「1a」では、後ろから追いかけた場合は届かないだろうと思います。

──イージス艦はそんなに信頼できるのですか。

 イージス艦の迎撃システムは、追尾レーダーがセットになっていて、レーダーが敵のミサイルを追尾して、そこに迎撃ミサイルは誘導され、最後にミサイル自身が相手を認識して的中するのです。

 ただ、一隻で撃てるミサイルの数は限られていますから、敵が一度に何ヵ所かからミサイルを一斉に発射すれば、対応できるにしても限界はあります。

 PAC3は、もともと拠点防護用として開発されたので、こちらにまっすぐに向かってくるミサイルには命中しますが、守備範囲が狭い。

 約20キロメートルの幅なら対応できますが、飛んでくるミサイルが横に飛んでいく、いわゆる角速度が大きいミサイルには対応できません。

 発射機は34機ありますが、1機当たりで発射できる数は限られていますから、敵が多数のミサイルを一斉に撃ち込んでくるとなれば、これも対応しきれない面はあります。

 平時において「チキンゲーム」が行われている今の状況は、あくまで北朝鮮がミサイル発射実験をして、間違って日本に落ちて来そうなケースになります。

 イージス艦が撃ち落とすといっても、弾頭以外の部品などです。それも宇宙空間から大気圏に落ちてくる途中で燃え尽きたりします。「落ちてくる隕石から、どのようにして身を守るか」というイメージで考えればいいかと思います。

 本来、イージス艦は情報収集能力などに優れた最先端の艦船ですから、もっとできることがあるのですが、「ミサイル落下防止」のためにずっと監視業務をするということにもなっているわけです。

 爆弾を積んだミサイルが日本を狙って上空に来て、それを撃ち落とすとなれば、それはもう戦争状態、有事になっているということです。