囲碁AIにも「個性」があった!プロ棋士が対局して発見

人類最強棋士相手に3連勝を飾った米グーグルの囲碁AI「アルファ碁」。10年先と言われていたAIの完全勝利は、囲碁界に激震をもたらした。AIの勝利は囲碁界に何をもたらし、人類とAIはどう向き合っていくべきなのか。アルファ碁に揺れる囲碁界の現状を、大橋拓文六段が描く。

 7月10日の特別レポート『AI囲碁はどこがどう強いのか、大橋六段がその「思考法」を解説』で、「アルファ碁」に続く囲碁AIが多く開発されていることを紹介した。私は囲碁棋士としてそれらのAIと実際に対局したり、その棋譜を研究に活用したりするようになった。そして、研究すればするほど、AIそれぞれの違いを実感するようになってきている。そんな不思議なAIの“個性”について話したいと思う。

しのぎを削る 囲碁AIの“3強”

 2016年にアルファ碁がトッププロ棋士に勝利して以降、ほとんどの囲碁AIがディープラーニングを取り入れて研究を進めている。世界大会も数多く開かれ、世界中の企業や個人の開発者がしのぎを削っている。中でも“3強”と言える存在が、アルファ碁と日中の囲碁AIだ。