『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』が8月30日にダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
自分や相手を欺くための「言い訳」はやめよう
「意識と無意識」「理性と感情」などのように、対立する要素に分ける考え方をアドラーは明確に否定しました。これらは一つであり、一見矛盾するように見えたとしても、それは同じ目標達成に向けて相互に補い合っているだけである、と言ったのです。
例えば、ダイエットをすると決めていた人が、ついポテトチップスを食べてしまったとします。そして「無意識のうちに食べていた……」「欲望に負けて食べてしまった……」などと言うことがよくあります。しかし、それは言い訳でしかありません。実際のところは、自分の意思で判断し、食べることを「善」(メリットのあること)として選んだのです。
「今回だけ食べても大勢に影響はないだろう。であれば、食べてしまえ」「体重が減ることよりも、今、目の前にあるおいしそうなポテトチップスを食べる方が大切だ」。これらの思考により、トータルで「食べる」という選択肢を選んだだけなのです。
では、なぜ私たちは「意識と無意識」や「理性と感情」をわざわざ引き合いに出すのでしょうか? アドラーは、それこそが自分や他者に対する言い訳である、と言いました。「責任を取りたくない」「敗北を認めたくない」「良心の呵責」を包み隠すために、「自分は悪くない。無意識と欲望が悪いのだ」と言い訳し、自分と他者を欺きたいだけなのです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
※本連載は日曜日以外の毎日更新します。