『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』が8月30日にダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

「感情」で支配しようとするのは子ども

怒りで人を動かそうとするおじさんは幼稚である

 生まれたばかりの赤ん坊は言葉を話すことができません。「おっぱいが欲しい」「おしめが濡れて気持ちが悪い」「淋しいから抱っこしてほしい」。それを伝える唯一の方法は「泣く」という感情表現だけなのです。ですから、赤ん坊は「泣く」という感情表現を通じてあらゆる望みを手に入れます。そして、それを繰り返すうちに、「感情を使用する」ことで必要なものを手に入れることができる、と「学習」するのです。

 子供は1歳に満たないうちから性格形成を始めます。つまり、言葉を話す前から性格ができ始める。「泣いたり怒ったりすることを通じて、すべてを手に入れられる」。赤ん坊の頃からそれを「学習」した子供は、その成功パターンを「性格」として刻みつけます。
 そして、子供時代も、さらには大人になってからも、その「性格」を使い続けるのです。

 もしも、あなたの周囲に感情的な人、すなわち、感情を頻繁に利用する人がいるとしたら、その人は子供時代の成功パターンを繰り返し利用しているのかもしれません。怒りで周囲を動かそう。涙で相手を思い通りに動かそう。そうしているのです。

 しかし、感情だけがものごとを達成する唯一の方法ではありません。にもかかわらず、大人になってからも感情表現で人を動かそうとする人は、内面的に幼稚なままだ、といえるでしょう。

怒りで人を動かそうとするおじさんは幼稚であるアルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

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