解散までの個別の要件を見ると、民進党内のさまざまなゴタゴタと、“希望の党”と名付けられた小池新党の準備不足と思われた状況が解散に踏み切る材料になったと考えられる。それに目をつけて、「今なら、そこそこ勝てる」と判断したのが首相の偽らざる考えのように見える。

 足元、森友・加計学園問題や、都議会選での首相本人の言動から急落した内閣支持率は、北朝鮮問題の緊迫化などを受けて、現在、5割程度まで回復している。来年秋には衆議院議員選挙を実施しなければならない。

 先々の政治カレンダーを考えた時、多少、議席を減らしたとしても過半数は確保できると考えられる状況で選挙を行い、自身の影響力を保つことが安倍首相の目論見といえるだろう。

 そうした状況下、有権者の多くがどの政党が今後のわが国をより良い方向に導くことができるか、考えあぐねているように見える。今のところ、自民党政権が経済再生への取り組みをより強固に進め、国民の多くが漠然と抱いている将来への不安が解消されるか否かは不透明だ。

 言い換えれば、選挙戦までの限られた時間の中で、自民党が新しい経済成長のための戦略と、安全保障面の強化に関する政策を取りまとめ、有権者の心をつかむことができるか否かが問われる。

少しずつ
台頭する反安倍勢力

 今年7月の都議会選挙で自民党は大敗した。その背景には、安倍総理が憲法改正を強引に進めようとしたことなどがある。その結果、小池百合子都知事が代表を務めた“都民ファーストの会”に票が流れ、自民党は第1党の座を失った。ここでのポイントは、どのような政策を提示したかではなく、“反安倍か否か”が議席獲得数を分けたことだ。