30球団一括のMLBと違い
球団ごとに異なる契約を結ぶ日本

――MLBと日本の球団とのビジネスの違いは何でしょうか。

 MLBは全30球団一括で契約しますが、日本は球団ごとの契約になる。これが最も大きな違いでしょう。

 ある球団では、2軍や育成選手のレプリカユニフォームも作る一方で、「うちは売り場面積が広くないので、そこまでは必要ない」という球団もありますから、日本ではそれぞれの需要を受け止めて、それに合わせた商品を供給します。

――楽天と契約したきっかけは。

 2013年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック。野球の国・地域別対抗戦)です。WBCはMLB主導の大会なので、全出場国の「ネームアンドナンバーTシャツ」という選手の背番号Tシャツと、ファンジャージ(レプリカユニフォームの複製)を製造する権利をマジェスティックが持っていました。

 日本国民全員が熱狂するイベントですし、そこの権利を持っているのなら、日本向けにもやらない手はない。観客動員数も多く、ブランド認知という意味でも、多くの日本人に知ってもらえるチャンスですからね。背番号Tシャツとファンジャージの日本代表版を作って、キャンプ地や試合会場で販売しました。それが楽天の目に留まったようです。

 MLBでやっている会社ということは皆さんご存じだったと思いますけど、「マジェスティックって日本にもあったのね」と、日本の球団さんに初めて知っていただくきっかけになった。

――2013年のWBCから1年で、楽天との契約にこぎつけた。

 ちょうどその年で前任のメーカーとの契約が切れるということで、いくつかフラットに候補がある中で「マジェスティックもいかが?」と声をかけてもらいました。

意気揚々と“メジャー流”を持ち込むも
見るも無残なユニホームで不興を買う

――初めて日本の球団を組んだときは、苦労もあったのでは?

 ユニホームの質ですね。日本のメーカーが作るユニホームは、惚れ惚れするほど素晴らしい。そんな質の高い製品に、日本の選手は幼少の頃から袖を通しているので、非常に目が肥えている。球団としては選手のパフォーマンスが第一。その要求にアジャストするのに苦労しました。

 実は、楽天との契約が決まった当初、MLB30球団のユニホームを製造している当社の米国・ペンシルバニアの工場で、楽天のものも作ることになりました。単純に言うと「MLBが30球団あるので、楽天は31球団目」という考え方だった。

 MLBという世界最高峰のリーグが使っている商品なのだから、われわれもそれがベストと思っていたし、楽天もそう思っていました。