大谷翔平が、またもや史上初の名誉を獲得した。25日にセ・パ両リーグのベストナインが発表されたが、大谷はパ・リーグの投手と指名打者の2部門で同時受賞したのだ。
二刀流のため、規定の投球回と打席数には達していないものの投手部門は21試合登板で10勝4敗・防御率1.86の成績で、千葉ロッテの石川歩(23試合・14勝5敗・防御率2.16)を、打撃部門は104試合で打率3割2分2厘・22本塁打・打点67で、やはりロッテのデスパイネ(134試合・打率2割8分・24本塁打・92打点)を大差で抑えて選出された。
今季の大谷の超人的な活躍と存在感は他のプロ野球選手も目を見張るものだったし、これだけの成績を残されれば、次点になった選手も納得するしかないだろう。ベストナインに選ばれる事自体、選手にとって大変なこと。ましてや投打両部門を同時に獲得する選手が今後現れることは考えられず、大谷は最初で最後の金字塔を打ち立てたと言っていい。
ところで投手部門の次点だった石川は規定投球回数に達したパの投手成績で1位に輝いた。そして2位が菊池雄星(埼玉西武)だ。22試合に登板し、12勝7敗・防御率2・58という堂々たる成績を残した。
大谷と菊池は岩手・花巻東高校出身。日本を代表する右と左の大投手ふたりが、同じ高校から出たというのは考えてみればすごいことだ。
しかも岩手は高校野球では、これまでパッとした成績を残せていない県だ。2009年の春の選抜で菊池がエースだった花巻東が準優勝したことはあるが、夏はベスト4が最高。ほとんど大会で早々に敗退している。春夏通算成績は46勝92敗1分。47都道府県中、勝利数は41位、勝率は44位だ。そんな岩手で好選手を育て実力を上げてきたのが花巻東だが、私立高校にもかかわらず他県からの野球留学を認めていない。大谷も菊池も地元岩手出身という点も驚きだ。
もしプロ野球選手が
出身高校がある県別チームを作ったら?
話は飛躍するが、今、大谷と菊池という岩手の高校出身の最高レベルの投手がふたりいるわけだ。野球は投手が好投するかどうかが勝利の鍵を握る。実現し得ないことではあるが各都道府県の高校OBの選手でチームを作り、全国大会をしたとしたら、大谷・菊池がいる岩手県はかなり強いのではないだろうか。