神戸製鋼データ不正の代償、使用製品リコールや損害賠償も?梅原尚人・神戸製鋼所代表取締役副社長執行役員(中央)は8日、深々と頭を下げ、陳謝。昨年に続く不正発覚に対し、「なぜ起こるんだ」と頭を抱える Photo:朝日新聞社

 神戸製鋼所が「身から出たさび」で揺れに揺れている。10月8日、緊急会見を開き、アルミ・銅事業部門で「検査証明書のデータ改ざん」や「検査工程の省略」を組織ぐるみで行っていたと発表したのだ。

 強度など、顧客と取り決めた仕様に適合していない製品を、適合しているものとして出荷していた。

 8月末までの1年間で見ると、不正製品はアルミ・銅事業部門の出荷量全体の約4%を占める。物によっては約10年も前からデータの改ざん等が行われていたというから、問題は根深い。

 神戸製鋼では昨年、グループ会社が一部製品の強度を偽り、日本工業規格(JIS)の規格外品を出荷していた事実が発覚したばかり。これを受けて今年8月、民間契約ベースでも違反がないか、全社的な検査の手はずを整える過程で、今回の不正が明らかになった。

 度重なる不祥事に、神戸製鋼への風当たりは強い。11日には鉄粉や光ディスク用材料でも同様の不正が発覚し、いよいよ経営陣の進退が問われることになりそうだ。