(新スキームでは個人からも候補成分の提案が可能になったが)個人のレベルでは理解できない方もおられるよう。実際、認知症治療薬の要望があったが、自分で薬で治す病気ではない。そもそも薬で治る病気ではない。薬は進行を遅らせるだけ。ご本人としては薬で治したいのかもしれないが、そういう病気ではない。そういうようなふさわしくないものも入っている。ただわれわれの判断基準は変わらない。基準に合わない。結局認められない。まともな方なら賛成しないですよ。

――トータルとして、新スキームになってスイッチOTC化は加速すると思いますか。

 新スキームになって検討を要望する候補成分は増えるでしょう。でもOTC化が劇的に加速するということは考えにくいと思います。全会一致で決めるわけですから。薬は押し切って決めるものではないですよ。やはりそれぞれきちんとした理由があって合意されたときに決める。

 これから(検討会の候補成分に挙がってくるのは)生活習慣病治療薬のOTC化ということなんでしょうけど、これは引き続き適切ではないと考える。業界の皆さんは売り上げを増やして利益を増やしたいということをお考えなんでしょうけど、それで安全性の確保を軽視してはいけない。

――今後の検討会で議論されるであろうものでは、胃酸の分泌を抑制するPPI(プロトンポンプ阻害薬)が目玉と言われています。医師会の条件に照らせば通るのでしょうか。

 学会、医会の意見をうかがって判断したいと思いますけど、個人的にはH2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)が認められており、それで十分だと思います。当時は画期的と言われ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍が手術しないで治ったということもありますので、それで症状が改善されなければ日本の場合は医療機関を受診されればいいのではと思いますけど。まあ学会、医会の意見を伺ってからですね。

――スイッチ化が進むと患者を取られるため、医師会は反対するのではという論調があります。

 全然違うねえ。論旨をすり替えているんじゃないですか。患者さんにとって何が一番安全、安心かを考えてわれわれは発言しているのであって、それこそ逆に、ただもうかればいいという業界の論理で言っているだけではないですか。