「衆議院の解散ではなく、これでは自民党の解散みたいな解散になっちゃったな」
こう語るのは元自民党政調会長の亀井静香氏(国民新党代表代行)である。
逆風に耐え切れず、東京都議会議員選挙で現有議席から10も減らした自民党。石原伸晃都連会長は即日辞任し、党内には総裁を含む執行部の責任を求める声が広まった。
ところが翌日、麻生首相は電撃的に「解散」を宣言し、未然に「麻生おろし」の芽を摘んだ――、かのようにみえた。だが、現実はそう簡単ではなかった。
本来、麻生首相は都議選直後の即日「解散」を企てていた。だが、党内からの圧力に屈して、再びブレ、「解散宣言」に後退してしまったという経緯がある。そのツケは、党内からの批判噴出という形で早速、まわってきた。
「このままの内閣と党で衆院選に突入することは集団自殺に近い」
元・盟友の鳩山邦夫氏(前総務大臣)がこう危惧するように、麻生首相への風当たりは強まる一方だ。落選に怯える大多数の自民党衆議院議員の本心はどちらかといえばこの鳩山氏の考えに近い。
両院議員総会開催を求め
反麻生派が署名集めに奔走
案の定、解散阻止、および「麻生おろし」の動きが公然と始まる。さらに、野党から提出された内閣不信任案決議案の採決の直前には、古賀誠選対委員長も辞意を表明し、混乱に拍車がかかる。
自民党は末期的症状を超え、断末魔を迎えようとしているのだろうか。
昨夜(7月15日)も、反麻生の自民党議員は、両院議員総会の開催を求めて、深夜まで署名を集める作業に励んでいた。選挙直前であるにもかかわらず、地元での選挙活動を放り出して数多くの自民党議員が署名活動を行っている。