金融危機の影響で、昨年から今年初めにかけて日本企業のM&Aは低調だったが、最近は復調しつつある。今年の日本企業が関与したM&A上位10件のうち、4件は7月のものだ。
最近の日本企業のM&Aには2つの特徴がある。
1つは業界内の再編進展だ。表で目立つのは金融関係だが、それ以外にも新日本石油と新日鉱ホールディングス、キリンホールディングスとサントリーホールディングスなどさまざまな分野で大手の統合が進んでいる。
景気悪化局面では、生き残りをかけた企業の再編が加速する。前回こうした動きが見られたのは1990年代末から2000年代初頭にかけてだが、このとき誕生したJFEホールディングスや三菱東京フィナンシャル・グループ(現三菱UFJフィナンシャル・グループ)などが03年以降の株価上昇局面を牽引した。
今回統合によって誕生する企業が、次の株価上昇局面の牽引役となることは十分考えられる。