その子からダブルアームのアイデアが出たとき、大人のメンバーが試しに作ってみたのですが、実装が難しく、大人は「いいアイデアだけど、これは無理だね」と決め付けてしまいました。

 しかし、彼は諦めませんでした。夏休みに入って朝から晩までずっとチューニングし、本当に完成させました。彼の情熱が大人の予想を超える作品を生み出したのです。

カリキュラム不要の
VIVITA流教育法

 僕は今、VIVITA(ヴィヴィータ)という会社を運営しています。自身を「子どもたちが生み出すアイデアをカタチにするシード・アクセラレーター」と呼び、「子どもたちのアイデアを実際にカタチにできる場所」を提供しています。

 今年3月、柏の葉の商業施設「T-SITE(ティーサイト)」内に「VIVISTOP(ヴィヴィストップ)」という活動拠点を設けました。

 まず、産業廃棄物処理会社の協力を得て、ものづくりの材料として安全に使える60種類以上もの廃材と工作台を用意しました。

 さらに3Dプリンターやレーザーカッター、アニメーションの制作機材、パソコンやタブレット端末などの「道具」もそろえました。

 子どもたちにはそこで自由に活動してもらっており、いわゆる「教室」や「習い事」ではありません。なぜなら教える先生もおらず、カリキュラムも存在しないからです。

 そこにいるのは、大企業出身のエンジニアやデザイナーなどの「クルー」と呼ばれる数人の常駐スタッフです。

 クルーは、子どもたちに「何をやりたいの」と尋ねて「それだったら、こうしたら」とサポートします。道具や環境をそろえて、子どものアイデアを形にするための支援を行っているのです。

 参加費用は無料です。正会員には1カ月で3回以上来ないとなれませんが、215人を超える正会員が集まっています。