周囲から見て「困った人」とレッテルを貼られやすいバブル世代の“バブルさん”とゆとり世代の“ゆとりちゃん”。当連載では、そんな2つの世代を対象に、 就職氷河期世代の“氷河期くん”(またはその他の世代)が会社の人間関係にどううまく対処すべきなのかを研究していく……という主旨で始まった当連載ではあるが、少し間口を広げて、社会の様々な問題点や関心事に対し、「世代」という軸を通じて解決策を見出そうという主旨で回数を重ねている。

さて、最近の大ニュースと言えば、大阪ダブル選挙における維新の会の圧勝と、落語家の立川談志さんの訃報だろう。談志さんは75歳だったが、今年に入っても喉の手術を拒みながら高座に上がっていたのだから、「最後まで落語に対する情熱を失わなかったんだな」と、改めて感心させられる。芸事の世界に定年はないのですね。

一方、大きな話題にならなかったが、こんなトピックもあった。2006年に定年制度の廃止を掲げた日本マクドナルドは、2012年1月より再び定年制度を復活させるという。毎日新聞の報道によると、定年制復活の理由として、「定年という区切りがなくなったことで、後進の育成が疎かになったり、情報の継承が後回しになる」などのデメリットがあったという。アメリカなど一部の先進国では、定年制度を撤廃する動きが出てきているが、ビジネスマンは定年制度をどう考えればよいのだろうか? 団塊の世代の方に話をうかがうことにした。

【今回の団塊さん】
山本良和(仮名、男性)
年齢:63歳(1948年生まれ)
最終学歴:大卒
業種:貿易
職種:自営業
出身:大阪府
現在の住まい:東京都国立市と香港を行ったり来たり
婚姻:奥さんと2人暮らし
家族構成:奥さん、息子2人

定年制度は必要?不要?
「区切りは大切」と語る団塊さん

――まずは自己紹介をお願いします。

 山本(仮名)です。歳は63。現在は、中国を中心にアジアに渡って、日本メーカーに商品を卸す貿易の仕事を自営でやっています。ま、自営なので定年はないですね。