「電車内で化粧をしている女性を見ると、『常識がないんだなあ』と思ってしまいます。メイクは人様の前ですることではないし、横に座っている人にファンデーションが飛んだらどうするのか。家でやるか、会社の化粧室でやってほしいと思います」

 また、自身も電車内でメイクをしたことがあるという30代の女性は、「どうしても時間がない時に、申し訳なさそうに電車内でメイクするならわかりますが、毎日のように堂々とメイクをしている女性を通勤電車で見かけます。気にする人が多いのがわかっているのに、まったく悪びれずにするのは、さすがに違うと思う」と話す。

「女性のメイクは人様の前でするものではない」という常識が、いつ、どのようにできあがったのかはわからないが、特に男性の前でメイク姿を見せることを「みっともない」と思う感性は、一部の人に確かにある。さらに、メイクに限らず、公の場所に私的な行為を持ち込むことに対し、拒否感を覚える人もいる。電車内での携帯電話の通話が嫌がられる理由はさまざまだが、一つの原因としてこの拒否感がある。

二つのマナーに板挟みされる女性たち

・化粧をして仕事をするのがマナー
・化粧は人様から見えない場所でするのがマナー

本連載の著者・宮崎智之さんの『あの人は、なぜあなたをモヤモヤさせるのか 完全版』(Kindle版)が発売中!

 この二つのマナーに板挟みされている女性を、男性の筆者は素直に「大変だな」と思うため、電車内での化粧はいいことだとは思わないが、「仕方ないことなのかな」と感じている。もちろん、当たり前のように毎日、電車でメイクするのは問題がある。マナーの問題以前に、生活時間を改善し、見直していく必要があるように思う。とはいえ、家事や育児を一方的に押し付けられる女性もいるから、実際には問題は複雑だ。

「電車で化粧」はマナー違反なのか、それとも仕方がないことなのか。ほとんどの人が「マナー違反」と感じていながらも、なかなか根絶されることのない「電車で化粧」の問題は、これからも世間の人々を「モヤモヤ」させていくことであろう。

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(フリーライター 宮崎智之)