JTの紙巻きたばこ国内販売数は、減少の一途をたどり、来年には大台の1000億本を割り込む見込みだ(図(2))。JT自身、加熱式たばこが市場に占める割合を「17年末に18%程度、20年時点では30%を超える可能性を想定している」というように、加熱式たばこへのシフトは加速度的に進む。18年前半にはプルームテックを全国展開する考えだが、ここでの出遅れは致命傷になり得る。

 さらに追い打ちをかけるのが、加熱式たばこの増税議論だ。

 加熱式たばこは、たばこ税法上のパイプたばこに区分され、使用されている葉タバコなどの重量を通常の紙巻きたばこに換算して、税額を決める。そのため、同じ加熱式たばこでも各社間で税額に差があり、紙巻きたばこよりも安くなっている(図(3))。そのうち、最も安いのがプルームテックだ。

 加熱式たばこの増加で落ち込む税収を補おうと、18年の税制改正に向けた増税議論が進んでいる。

 関係者によれば、加熱式たばこの新たな課税区分を設けた上で、紙巻きたばこの税率に対し、加熱式たばこの税率が7~9割になるように調整する案が浮上しているという。課税基準に、従来の重量だけでなく、小売り定価を含めることが検討されているようだ。また、重量換算においても、新たに溶液の重量が対象になるという。

「葉タバコ自体の重量が非常に少ないプルームテックを狙い撃ちにしたような課税案」(メーカー関係者)だが、どのような形でも、プルームテックの税制上の有利は、是正される方向に向かうだろう。

 加熱式だけでなく、紙巻きたばこについても、21年までに1本当たり3円増税する案の検討が進む。メビウスであれば、1箱440円から500円への値上がりだ。増税が紙巻きたばこの販売数減少を加速させることは間違いない。

 だが、「他社と異なる商品特性のプルームテックは“2台目需要”を取り込めるので、供給体制さえ整えば攻勢に転じる可能性が高い」と、警戒感をあらわにする競合メーカー関係者もいる。

 少なくともJTはプルームテックの展開を急ぐことで、この窮地をしのぐしかない。