経済停滞下の企業の利益増は単なる「帳簿上の変化」に過ぎない

 アベノミクスが開始されてから5年たったが、実質家計消費支出がほとんど不変であることに見られるように、量的な経済活動はほとんど成長していない。異次元金融緩和政策は、日本経済を停滞状態から脱却させることができなかった。

 企業利益は増え、株価が上昇しているが、これは名目値での変化であり、実体的な変化を伴っていない。

 しかも、今回の物価上昇局面が終わりに近づいているため、企業利益増・株価上昇の局面も、そろそろ終わりに近づいている。

実質消費支出は、
5年間ほとんど不変

 前回の本コラム「株価高騰・好決算は円安による一時的なものに過ぎない」で書いたように、この5年間に、企業利益においては大きな変動が生じた。株価も大きく変動した。

 しかし、実体経済はほとんど変化していない。