これを知れば、誰でもすぐに点数が上がる!読むだけで合格が近づく!偏差値35から東大に合格した「ずるい試験対策」をまとめた『東大生が教えるずるいテスト術』。この連載ではそのエッセンスを紹介していきます。

最後の問題から見ることで、すべての答えがわかる
「逆転解答戦略」

みなさんは、「長文問題の大問の、最後の問題」に注目したことがありますか?
もし手元に自分が受ける試験の過去問があれば見てみてください。

詳しいデータが存在するわけではありませんが、多くの試験では「本文の内容と一致するものを選べ」とか、「この文章のテーマとして正しいものを選べ」とか、そういう選択問題が「最後の問題」として出題されています。この問題は、「文章全体」をきちんと読解できなければ正解の選択肢を選べないようになっています。

ところで、です。
選択問題って、とても当たり前の話ですが、正解の選択肢がありますよね。
つまり、この最後の「文章全体を読解できなければ正解できない問題」にも、1つは正解があるわけです。

勘のいい人ならもうおわかりかもしれません。
つまり「文章全体でどういうことが書いてあるのか」という、長文の読解の上で非常に役に立つすごく美味しい情報が、この「最後の問題」に書いてあるんです!だから、長文を解きはじめる前に最後の問題を読んでおくことで、読解しやすくなるのです。

どれが正解かはもちろんわかりませんが、どれかは正解であり、また間違いの選択肢だって正解に似せて作っているパターンが多いですから、有力な情報になります。それどころか逆に、「本文の内容と一致しないものを選べ」なんて問題が出題されることも多いわけです。この問題が来たら、1つを除いてすべての選択肢から、文章全体に関する正しい情報が得られるのです。

もちろん、この情報を全面的に頼ってしまうと、ダミーの選択肢に惑わされることにも繋がりかねません。しかし、どうせ最終的にはこの問題も解くわけですから、その選択肢を先に知っていても何ら問題はありませんよね? 最後の問題を読んで、全面的でなくても、「なるほどこういう文章なんだ!」とある程度わかっておくだけで読解力がぐんと跳ね上がるのです。

これは長文問題に限った話ではありません。多くの大問では、解き始める前に最後の問題を読んでおくことで大問全体の正解率が上がります。確かに、大問の中の小問1つ1つが全て独立している問題では最後の問題から得られる情報は少ないです。しかし逆に、それ以外の大問に関してはほぼ全て、この法則が当てはまるのです。

例えば最後の問題のパターンとして多いのは、「1 2を踏まえた上で、〇〇について述べよ」という問題です。「1 2を踏まえた上で」と律儀に書いていなくても、それ以前までの問題がヒントとなっているパターンは非常に多いです。

一度、騙されたと思って見てみてください。歴史では「(1 2の出来事を踏まえた上で、それ以降に発生した)〇〇という出来事について答えなさい」という記述問題が多いですし、数学では「(1)(2)で導き出した答えを用いて〇〇を求めよ」という問題形式も多いです。

こういう大問は、先に最後の問題を見ておけば全体の方向性がわかります。「最終的にこういう問題に繋がるんだ!」ということを意識すれば、1 2も正解の可能性が高くなりますし、それによって最後の問題の正解の確率も高まるのです。

このように、長文問題や他の大問で、最後の問題をはじめに読んでおけば、そこからヒントを得て読解力・正解の確率を上げるのが「逆転解答戦略」です。

みなさんもぜひ、お試しください!