「働きやすい場の仕掛け」を作るのは総務
働き方改革は第二章、生産性の向上がテーマとなっている。生産性向上のため、働く人、個々人のスキルアップのために、政府は「人づくり革命」に邁進中。今後、経産省と厚労省がタッグを組んで、教育関連の給付金を手厚くしてくることだろう。
企業においては、従業員の生産性を向上させる取り組みが必要となる。「人づくり革命」による、従業員のスキル向上もさることながら、働く環境における生産性向上が必須である。従業員の仕事の効率性を高め、新たな取り組みが生まれる環境作りが求められる。
効率性と創造性の向上は、「働く場」の仕掛けにより促すことができる。端的に言えば、オフィスでの仕掛けである。その役割を担うのは、やはり総務だ。
働き方改革について論じられるときにいわれるのが「総務が働き方改革の主役となると、成功する」という点だ。ときに机の下に潜り込み、額に汗して働く総務担当者は、上から目線ではなく、総務の“ユーザー”である従業員に寄り添いながら仕事をしている。その姿勢が、大変革の働き方改革で有利に働くのだ。
ある企業では、総務が現場に足しげく通い、現場の動きを観察するという。メールで足りるところを、あえて現場に出向き、しばらく現場社員の働き方を観察する。人の動き、特にキーマンであるインフルエンサーともいえる社員の動きと、その社員が現場のメンバーへどのような指示を出しているかに注目し、効率よく仕事が回る「働く場」のイメージを作るのだ。
そのような現場観察を頻繁に行い、オフィスのレイアウト変更、ビル移転となった際には、それまで蓄積していた情報から、もっとも効率的な働く場を構築する。その結果、その企業では、コミュニケーションが円滑になり、本社移転後、売上高が3倍にもなったそうである。