弁護士はどこまで
ビジネスセンスを持つべきか?

 たとえば離婚や相続問題に強みがあると打ち出したいのならば、それに関する話題に終始する、自らのキャラを打ち出すのであれば広告と割り切ってそれに徹するということだ。前出の弁護士は言う。

「どんな商売でも同じだと思います。たとえば政治の話、それから他人の悪口と思われる内容、攻撃的な文章…、そういうのをブログやSNSに書いていると、依頼者はドン引きです。日々、食べたものを写真に撮ってアップするにしても、もうひとひねり欲しい。ラーメンが好きならそれに徹するとか。それなら依頼者の心に響きませんか?」

 ラーメン好きな弁護士によるブログなどは、“正統派”弁護士たちからすれば、噴飯ものかもしれない。

 しかし、この連載で再三述べてきたように(バックナンバーはこちら)、もはや弁護士バッジを付けているというだけでは食えない時代になった以上、マーケティングの発想をしっかり持って、顧客にわかりやすい専門分野、得意分野を打ち出す、あるいは弁護士個人の“キャラ”を全面的に打ち出してファンを獲得、依頼へと繋げるといった最低限のビジネスセンスを持たなければ、弁護士は生き残れないだろう。

 とはいえ、公務員ではないが「公」の職業である弁護士は、単なるサービス業ではない。そこには一定の制約を設け、真面目に事件に取り組む弁護士が不利益を被るようなことがあってはならない。

 司法が歪みつつある今だからこそ、どこまで弁護士のビジネス化が認められるのか、日本弁護士連合会は、踏み込んだ考え方を示す必要があるのではないだろうか。