“トヨタHV効果”でCO2排出量が
毎年平均400万トン程度も削減
1997年12月、世界初の量産ハイブリッド車(HV)としてトヨタ・プリウスが発売された。2017年は、プリウス誕生20周年。このアニバーサリーに、トヨタは歴代プリウスに関する技術の変遷をメディア関係者に披露した。
興味深いデータとして、CO2排出の削減量がある。1stモデル発売から17年1月にHV累計販売台数1000万台を達成するまでの20年間で、CO2排出削減量は累計7700万トンに達するという。自動車交通による日本全体のCO2排出量は、16年時点の推定で年間約2億トン(全国地球温暖化防止活動推進センター調べ)。プリウスが発売された97年当時は約2億4000万トンだった。“トヨタHV効果”による排出削減量が7700万トンだから、毎年平均400万トン程度が削減された計算になる。
1stプリウスは、国土交通省審査値の燃費が当時の10.15モードで28.0km/リットルだった。最新プリウス(4thモデル、15年デビュー)の国土交通省審査値の燃費データは、JC08モードで、40.8km/リットルである。JC08モードは、10.15モード比で燃費値が10%程度低下する。したがって、1stモデルと最新モデルを単純に比較はできない。それでも、モードの違いを考慮して計算すると、4thプリウスは20年前の1stモデル比で約35%の燃費向上になる。
これだけ燃費効率がアップした理由について、トヨタは「モーターの進歩、制御機構および制御プログラムの進歩、バッテリーの進歩、エンジン本体の熱効率の進歩、HVシステム重量の軽減、タイヤの低転がり抵抗化など、さまざまな部分での改良の積み重ね」と説明している。