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任天堂はなぜソーシャルゲームをやらないのか(上)
関係者が見据える「バブル市場」の不確定要因と未来図

石島照代 [ジャーナリスト]
【第24回】 2012年1月6日
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ソーシャルゲームブームはバブル?
ポストソーシャルゲームは見えてくるか

 2つ目は、特に大手ソフトメーカーの経営幹部の多くが、「ソーシャルゲームブームはバブル」と考えていることだ。

 ある幹部はこう話す。

 「サービス面で多様性を生み出したソーシャルゲームですが、競争が激しいがゆえに、新しいサービスの開発には陰りが見え始めています。家庭用ゲームの資産を消費した後には、どうなるのかという不安がある。支払ってもらったライセンス料程度はソーシャルゲームに付き合いはするが、開発本隊は温存して今後の市場動向を注視しているというのが本当の実態です。新年早々なんですが、何時バブルがはじけるだろうと怖がっている人は多いと思いますよ」

 結局は、ソーシャルゲームバブルがはじけて、任天堂がソーシャルゲームをやるまでもなかった、というオチもあり得るというわけだ。そして、幹部は次のように続ける。

 「ネットワーク化やソーシャル化の流れを見たとき、今のソーシャルゲームは1つの形態に過ぎず、『ポストソーシャルゲーム』としての新しいネットワークゲームは遅かれ早かれ興るでしょう。任天堂の岩田社長なら、それを当然考えているはずです。

 任天堂が本腰を入れて新しいネットワークゲームを世界展開してきたら、すごいことになるのは間違いない。もちろん、ソニーでもマイクロソフトでもチャンスはあるけど、すでに娯楽ビジネスでは世界的知名度を誇る任天堂だからこそ、新しいネットワークゲームシステムを期待するのは私だけではないはず」

 新しい年は、不確定要素もある中で、ポストソーシャルゲームという動きも表面化するのだろうか。前半ではソーシャルゲームと任天堂のビジネスの違いから、任天堂がソーシャルゲームをやらない理由を探ってきたが、後半はユーザーの違いに焦点を当てて理由を探る。

※続きは下記です。
任天堂はなぜソーシャルゲームをやらないのか(下)
ユーザーに自己効力感を促す制作方針の気骨と強み


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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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