大きく社会を騒がせている「はれのひ」と「コインチェック」。事件の重大さもさることながら、お粗末すぎる謝罪会見が火に油をそそぐ結果となった。危機管理のプロにアドバイスをもらった形跡が見られるにもかかわらず、なぜこんな大失敗をしでかしたのか。その根底には「妄想」に近い、傲慢な思い違いがある。(ノンフィクションライター 窪田順生)
迷言、珍言が続出!
ひどすぎる謝罪会見
最近、被害者の神経を逆なでするだけではなく、見ている人たちをも不快にさせるような「炎上謝罪会見」が続いている。
その代表例は、約580億円分の仮想通貨がわずか20分で流出してしまった「コインチェック」だ。
「セキュリティは甘くなかった」と、いったいどの口が言うのかと呆れるような弁明を繰り返すなどツッコミどころ満載。木で鼻をくくったような対応が、コインチェック本社前に押し寄せ、「金返せ!」と怒鳴る被害者の怒りをさらにヒートアップさせたことは言うまでもない。ネットでは「平成の豊田商事になってしまうのでは」という心配の声も上がったほどだ。
「晴れ着詐欺」ともいうべき「はれのひ」の“消えた社長”こと篠崎洋一郎氏の会見も、なかなかすさまじいものがあった。
「全て私に責任はある」と神妙な面持ちで謝罪をする一方で、「隠れるつもりはなかった」「逃げてはいない」「最後まで本当に精一杯やった」「資産はありません」などと自己を正当化するコメントを連発。この期に及んで、いったい何をアピールしたいのかと首を傾げるような対応に終始し、これまた被害女性たちから大ヒンシュクを買っている。
もちろん、両社とも「ごめん」で済むような話ではないので、なにをどう語ろうとも被害者の怒り、悲しみは収まらないし、社会からフルボッコされることに変わりはない。ただ、それにしてもこの2つの会見はひどすぎだ。