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現場力を伸ばす先端IT活用の鉄則

ビジネスの現場で「かめはめ波」が炸裂する日

安間裕
【第2回】 2012年2月1日
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 <第3回>
最後が一番すごいです。これは、まだ、実用化までには至っていなくて少し時間がかかりますが、上記の二つが、コンピュータのフレームを透かしてみることを前提としている、つまり、コンピュータの「枠」の限界を超えられていないのに対し、この次世代型ARは、コンピュータのフレームを飛び出しています。最早SFです。イマイチなネーミングですが、ここでは「現実拡張」と呼んでみました。次々回、興奮しながら書いてみたいと思っています。

 ARに関して、特に日本ではアンテナが低過ぎだと思っています。

 先日も、ある拡張現実のビジネスを行ってらっしゃる社長さんと話をしていたのですが、彼がとても残念がっていたのは、日本では、ゲームとかイベントとか、せいぜい広告とかが主な使い道になっていることでした。それでは、ARは定着しないし、またもや欧米に負けてしまいます。

 ARの定着には、リアルビジネスに組み込まれる必要がどうしてもあると、絶対に思います。

 これには、ITを提供する側にも問題はありますが、ITを武器として使おうとするべき側、ビジネスへの適用要件を模索する側に、問題の多くはあるのだろうと思っています。

 それに比べると、後述しますが、欧米ではARをリアルビジネスへ拡張しようとする様々な試みや、既に、「商売」で使われている事例が登場してきています。そこに、日本とのギャップを、ものすごく感じています。

 でも、逆に言えば、だからこそ、みなさんにも、それから、私にも、大きなチャンスが存在するということになります。

まずは、映画が変わった

 まずは、はじめの「かめはめ波」型拡張現実の使い道ですが、エンターテインメント、特に映画ではすごいことになっています。

 昨年シアトルに行った際に、EMPという、シアトルタワーのすぐ隣にある映画とロックの博物館に行ったのですが、そこで、アバター特集をやっており、WETAデジタルと言う、ニュージーランドのSFX工房と、ジョージ・キャメロン監督が共同で開発した、パフォーマンス・キャプチャー・インタラクティブというものを体験してきました。

 アバターを演じている俳優さんは、リアルタイムに、モニターではアバターになっちゃっていました。背景も、アバターの舞台、惑星パンドラになっていました(もちろん、まだラフですが)。

 「アバター」から2年を待たずに公開された、「猿の惑星:創世記」では、それをスタジオの中だけでなく、ロケで使えるようになっていましたし、そのあと登場した、スピルバーグ監督の「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」では、フルCGでやってのけていました。さすがスピルバーグ!!

 キャメロン監督やスピルバーグ監督は、CG映画と実写の垣根を、映画芸術の監督の仕方という意味で、取っ払っちゃったわけです。メイキングでは、ジョージ・キャメロンはiPadのへんてこなやつ、みたいなのを通して、ラフとはいえ、完成系に近い映像を見ながら、「カットーッ」とか「もーいっかい」なんて、普通に監督をしていました。

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グローバル経済のなかで地盤沈下の進む日本。再びIT先進国として飛躍するためには、ITをビジネスの武器とする発想が必要だ。ビジネスは現場が肝心。現場の意思決定のスピードアップなど現場力向上に先端ITをどう生かしていけばよいか、IT業界のフロントランナーがわかりやすく解説する。

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