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IBMはクラウド企業として生まれ変わった
――日本法人社長が就任1年で宣言

大河原克行
【第168回】 2018年2月14日
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4つのポイントにフォーカス

 日本IBMの社長として、増収への転換に向けた総仕上げを指揮したキーナン氏は、社長就任以来、経営の舵取りにおいて、4つのポイントにフォーカスしてきたという。

 1つめは、「IBMの顧客を、業界のディスラプター(破壊者)として、あるいは、業界のリーダーであり続けることができるように支援をすることだ」と語る。

 「IBMのビジネスの根幹は、お客様のイノベーションを支援することにある。お客様がイノベーションが行えず、ディスラプト(破壊)される状態になってはいけない。だからこそ、IBMは、AI、クラウド、ブロックチェーン、IoT、セキュリティといった最新技術を、業界に特化した形で提供していくための投資を行ってきた。業界の知見を生かし、そこに最新の技術を組み合わせることで、お客様を支援する」と語る。

 例えば、同社のAIであるWatsonは、日本でも数百件のプロジェクトを進めており、幅広い用途で活用されている。そのWatsonは、業界に特化した形で学習を行い、業界用語などを学んだ上で、最適な答えを導きだし、利用者を支援するのが特徴だ。

 「単に答えを出すのではなく、回答に対する確信度を示し、同時に、なぜ、その確信度に至ったのかといった理由も説明する。これは他社のAIにはない、Watsonならではの特徴であり、お客様がよりよいビジネスを行うための意思決定を支援することができる」とする。

 IBMでは、昨年まで、Watsonのことを、「AI」とは呼ばずに、コグニティブと呼んでいた。だが、いまではWatsonに対して、AIという呼び方を用いている。しかし、それでも、「人工知能」とはいわず、「拡張知性」と表現している。

 「Watsonは、人々の仕事を支援したり、生活の質をあげるために活用すべきであると位置づけている。だからこそ、人を支援するための拡張知性と呼んでいる」と、キーナン社長は説明する。

 また、ブロックチェーンについても、未来のトランザクションのコアになる仕組みと位置づけており、積極的に投資する姿勢をみせている。

 2つめは、「こうした最新技術や製品を活用するために、業界で最高の品質のサービスを提供し、それを常に改善すること」だという。

 「IBMが持つ最新の技術とサービスは、大手金融機関、航空会社、保険会社、小売会社などの企業の経営を支える基盤となっている。これを高い可用性を維持しながら運用している成果は、外部の評価からも明らかであり、IT専門誌の顧客満足度調査では、サービスデリバリー部門において、1位の数が最多になっている」とする。

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